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2006年02月10日(金)

非常に完全に暗闇の中でのバイトの事

つい先日、「コニカミノルタ写真事業撤退」のニュースが流れた。
専門学校を卒業した年、フォトショップ的には未だバージョン3が出たばかりで、「レイヤーってなによ?」ってやっていた時代。
バリバリのフリーターだった私は、地元・練馬区にある“(株)アジアカラー”と言うところで大変お世話になっておりました。
アジアカラーとは、コニカのグループ会社に属されていて、都内のプロラボとしてはかなり大きな規模を誇っていました。
当時、写真というモノに全くと言っていいほど興味が無く、“通勤がラク”“取り敢えずモノを造る会社で茶髪でもOKだし”と言う、いかにもフリーター的考えで働き出すことになります。
仕事の内容は、自分の住まい(一軒家)をヘリコプターで空撮し、それを全紙という一番大きな印画紙に焼き付け、キチンと額装し「〇〇邸 H00.00.00」って感じのプレートを付けてお渡しするっていうサービスでした。
ブローニーと言って、普段使っているネガフィルムの4倍くらいありそうな大きなフィルムで撮影された空撮写真を、畳一畳分くらいの暗室の中で印画紙に焼き付けます。
僅かな光が漏れていても印画紙に焼き付いてしまうため、しっかりと黒い布で目張りされた“完全なる暗闇”の中での作業となります。日常生活においてこう言った“完全なる暗闇”の中で何かを作業する事などまずありませんから、始めは凄く違和感を感じていたことを憶えています。

暗室内での作業を簡単に説明しときます。
(1)マウンターにフィルムをセットする(指紋を付けないように)
(2)投影された写真を見てハンドルでピントを合わせます(見た目の感覚で)
(3)室内の電球を消し、印画紙を撮影台にセットする(暗闇での手探り作業)
(4)印画紙の水平を確認し露光を開始します(赤・緑・青の計三回光を当てる)
(5)露光の終わった印画紙を遮光ケースに入れる(別部屋へ移動するため)
(6)別室の暗室で印画紙を機械に通し、定着・乾燥をさせて出来上がり(この部屋は共同で結構広い)

と、言いましたような単純作業の繰り返しではありましたが、普通では経験出来ない貴重な体験をさせて頂きました。
視界を閉ざすことで、人間が持つ“本来の感覚(第六感?)”が鋭くなるのを実体験できましたし…w
暗室作業を3カ月くらいやってから、今度は3D写真を焼き付ける現場に配置換えになりました。
3つの異なる角度から撮影したカットを一枚の写真にすることで、奥行きのある写真になるって代物です。(撮れっきりシリーズ)
3D写真の焼き付けは通常の明るい部屋で行い、ネガをジッとにらんで「この写真は室内で撮って緑かぶりしているからマゼンタで相殺して…ぶつぶつ」などと、ポチポチ焼き付け作業を行います。(ちなみにネガなので全て反対に見えます→青なら赤に)

今回の「写真事業撤退」のニュースを聞いて、急にみんなどうしてるかなぁー!!?って思い出しました。
散々お世話になっておいて、辞めてから一度も挨拶にすら行っていないと言う自分の薄情ぶりが非常に申し訳なく…orz
でも、取り敢えず「これがオレなのさ!」って、根拠なしに強がって置くことに……。。

私が在籍していた頃は、もちろんデジカメなんて影も形も在りませんでしたが、スキャンしたデジタルデータをピクトログラフィで出力すると言う案件がチラホラ出だし、年々フィルムの売上が落ち込み「このままではヤバイだろう…」って話はその当時からありました。
なので、デジタルカメラの影響で急激にフィルムカメラ産業が落ち込んだって訳ではないと思うんですよね。その低迷を打破しようとしたのが“APS規格カメラ”だった訳ですし。(勿論トドメはデジカメでしょうが…)
まぁ、人々の生活が裕福・便利に成るに連れ、写真に納めておきたい「特別な時間(瞬間)」が無くなってきてしまったってトコですかね。

いやしかし、私が写真を始めた事を知ったら、皆なんて言うかなぁ? ウシシ…

Filed under: つぶやき| MASANAO @ 15:02

2 Comments »

  1. 初めまして。実は私は元アジアカラーの社員であります。
    偶然このブログを見つけて懐かしくてコメントさせていただきました。ブローニー使って、航空写真やってました。3Dも。確か3Dはスドウさんとふみちゃんがいましたね。2階は食堂で。今はマンションになってしまいましたが。ちなみに私は6年間勤めていました。 アジカカラーとっても懐かしいですね。 今は全く違う業種ではたらいていますが、あの時のことを知ってる人がいると嬉しいです。

    コメント by 元アジア社員 — 2006/07/27 @ 15:46

  2. うわぁー!
    コメント有り難うございます。食堂のカレーの味とか色々思い出してしまいました。
    そうですか、現在ではマンションになってしまったのですねぇ…。

    「もしかして、あの人かな? それとも…」などと一人で妄想に耽っています(笑)
    広くて狭いインターネット。ほんとビックリしました。
    —–

    コメント by まさなを☆管理人 — 2006/07/27 @ 21:20

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